固定電話の通信基盤はすべてインターネット技術

2025年09月11日

「固定電話」は単なる物理的な電話機ではなく、ネットワーク上のサービスとして再定義されつつあります。


固定電話とインターネットの連携は、単なる技術的な統合を超えて、働き方・業務効率・コスト構造・セキュリティにまで影響を与える大きな変革です。今後は「固定電話=クラウドサービス」として、より柔軟でスマートな通信環境が整っていくでしょう。 


(電話機の固定電話サービス)

1. 加入電話(アナログ)

  • 従来の固定電話サービス(市外局番付きの電話番号)はそのまま利用可能。
  • 電話機や電話番号の変更は不要。

2. INSネット(通話モード)

  • 音声通話のみの利用であれば、INSネットも継続利用可能。
  • デジタル通信モード(EDIなど)は終了対象だが、音声通話は問題なし。

3. ひかり電話・ひかり電話ネクスト

  • 光回線を利用したIP電話サービスで、今後も継続提供。
  • 通話品質が高く、全国一律料金で利用可能。

4. 光回線電話・コラボ光ひかり電話

  • NTT以外の事業者が提供する光回線を使った電話サービスも継続。
  • 050番号を除くIP電話への発信も可能。

5. ワイヤレス固定電話

  • 一部地域で提供されている無線方式の固定電話も継続。


✅ 重要なポイント

  • IP網は通信の「道」、プロバイダーはその道を使うための「入口」。
  • 固定電話がIP網に移行しても、インターネット接続(=プロバイダー契約)は必要。
  • 一部のIP電話サービスは、プロバイダーとセットで提供されることが多い(例:OCN、So-netなど)。

💬 まとめ

プロバイダーは、IP網を利用するための「橋渡し役」です。IP網への移行によって、固定電話もインターネットと同じ技術基盤で動くようになったため、プロバイダーとの連携は今後ますます重要になります。


🔄 固定電話のIP網移行とは?

NTT東西が提供していた従来のアナログ回線(加入電話)やISDN(INSネット)は、2024年1月から順次、**IP網(インターネットプロトコル網)**へと切り替えられました。

この移行により、固定電話の通信は従来の電話交換機を経由する方式から、インターネット回線を使ったIP電話方式に変わりました。

📡 インターネットとの連携のポイント

1. IP電話とインターネットの融合

  • IP電話はインターネット回線を使って音声をデジタル信号として送受信します。
  • これにより、通話品質の安定化通信コストの削減が可能になります。
  • 通話料金は全国一律になるケースが多く、遠距離通話でも料金が変わらない。

2. クラウドPBXとの連携

  • クラウドPBX(Private Branch Exchange)は、従来オフィスに設置していた電話交換機の機能をクラウド上で提供するサービス。
  • インターネット接続があれば、スマホやPCを社内電話端末として利用可能
  • 代表番号での発着信や内線通話、転送、留守番電話などの機能が、オフィス外でも使える。

3. INSネット通話モードの継続と終了

  • INSネットの「通話モード」はIP網移行後も継続利用可能。
  • 一方、「デジタル通信モード」は2024年1月から段階的に終了しており、POSやATMなどで使われていた通信はIP対応機器への移行が必要

✅ 利用者にとってのメリット

  • 工事不要・手続き不要:既存の電話番号や機器はそのまま使えるケースが多い。
  • BCP(事業継続計画)対策:災害時でもスマホやPCから会社番号で通話可能。
  • コスト削減:通話料の全国一律化、PBX機器の保守費用不要、スマホ連携による転送コスト削減など。

🧩 具体的な連携事例

  • 03plus:スマホで「03」や「06」などの市外局番を使えるIP電話サービス。クラウドPBXと連携可能。
  • INNOVERA:クラウドPBXサービスで、社外からでも代表番号で発着信可能。テレワークや多拠点展開に強み。


IMAP(Internet Message Access Protocol)とIP電話サービスは、どちらもインターネット技術を使った通信手段ですが、役割や用途はまったく異なります。以下でその違いと関係性をわかりやすく説明します。

📬 IMAPとは?

  • 用途:電子メールの受信プロトコル
  • 機能:メールサーバー上のメールを端末(PCやスマホ)から閲覧・管理するための仕組み
  • 特徴
    • メールはサーバー上に保存され、複数端末で同期可能
    • Gmail、Outlook、Yahooメールなど多くのサービスがIMAPに対応


IP電話サービスと認証(特に2段階認証)には、セキュリティの観点から重要な関係があります。

以下で詳しく解説します。

🔐 2段階認証とは?

2段階認証(2FA:Two-Factor Authentication)は、ログイン時に以下の2つの要素を使って本人確認を行う仕組みです:

  1. 知識要素(パスワードなど)
  2. 所持要素(スマホ、認証アプリ、SMSなど)

📞 IP電話サービスとの関係

1. SMS認証との違い

  • 一般的な2FAでは、SMSで認証コードを送る方法がよく使われます。
  • しかし、IP電話(特に050番号など)では、SMSが受信できない場合があるため、2FAに使えないケースがあります。

2. 音声通話による認証

  • 一部のサービスでは、SMSの代わりに音声通話で認証コードを読み上げる方法を提供しています。
  • IP電話でも通話が可能であれば、この方法で2FAを利用できます。

3. 認証アプリとの連携

  • IP電話サービスの管理画面(クラウドPBXなど)にログインする際、Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなどの認証アプリを使った2FAが導入されていることがあります。
  • これはIP電話サービスの管理者アカウントの保護に有効です。

4. セキュリティ強化の背景

  • IP電話はインターネット経由で通信するため、不正アクセスや盗聴のリスクがある。
  • そのため、管理画面や通話履歴、録音データなどを守るために、2FAが推奨されます。

✅ 実際の導入例

サービス 認証方法 備考 INNOVERA 認証アプリによる2FA 管理者ログイン時に必須 03plus SMS認証不可(050番号) 音声通話による認証を選択可能 Twilio SMS・音声通話・認証アプリ対応 IP電話番号でも通話認証可能

💡まとめ

  • IP電話サービス自体は2FAの「手段」になることも、「対象」になることもあります。
  • 050番号などSMS非対応のIP電話では、音声通話や認証アプリによる2FAが有効。
  • IP電話の管理画面やクラウドPBXのログインには、2FAを導入することでセキュリティを大幅に強化できます。



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